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November 15, 2004

Garota Moderna / Rosalia de Souza

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『Tempo Futuro』試聴はこちら(mp3)

まずこのCDを発売したイタリアのレーベル、SCHEMA(スキーマ)から説明をしておきたい。―― そこで今回のレビューと一緒に書こうと思ったのだが、随分と長文になってしまったので追記として切り分けることにした。  ⇒[SCHEMAについて]

今回紹介するロザリア・ディ・ソーザは、SCHEMAの看板プロデューサー、ニコラ・コンテが手掛ける初のブラジル人アーティスト。2人の出会いはニコラがプロデュースしたキンテット・Xの1stアルバム『Novo Esquema da Bossa』で彼女が歌手としてフィーチャーされたことだ。彼女の繊細で透き通った声はニコラが作るモダンで軽快なブラジリアンにとてもよく合う。

リミックス版も既に発売されている今作は、13曲の収録のうち(1),(3),(5),(6),(7),(10),(11)の7曲がブラジルの楽曲をリメイクしたもの。残る6曲はニコラのオリジナルにロザリアが作詞をした。捨て曲と言えるものは一切なく、部屋の雰囲気をガラッと変えてしまうほどの洒落た曲でアルバムを構成する。

何故イタリアのレーベルでブラジリアン? と思われる人がいるかも知れないが、ブラジリアン・ミュージックは今や本国だけにとどまっているだけの音楽ではない。『Garota Moderna(英訳:Modern Girl)』はそんな未来を描いたアルバムでもあるのだ。

(By Koichi,I)

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【製品情報】
Amazon価格:¥1,916 (税込)
CD発売:(2003/07/01)



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IRMAScenario Musicと同様、ラウンジ・オリエンテッドなジャズやボサノヴァなどを中心に発信するイタリア、ミラノのレーベル。ミラノに本拠を置くレコード会社、Edizioni ISHTARのグループ内レーベルとして1995年に発足された。

コンピレーション盤として2000年にリリースされた『Metti una Bossa Cena』(在庫切れ)、そして第6シリーズまで続く『Break n’ Bossa』はここ日本でも有名だ。先日、日本で発売された『Break n’ Bossa』のベスト版『Break n’ Bossa -the maximum joy-』はSCHEMAのセンスが凝縮された作品となっているので是非一度耳にしてもらいたい。

もちろん彼らはコンピレーションだけを提供してきたわけではない。SCHEMAの色を創りあげるキーマンとなるのがプロデューサーのニコラ・コンテ。最近Blue Noteから発売された2ndアルバム『Other Directions 』も好評の彼は、発足メンバーとしてコミットしたのと同時に自身がプロデュースを行いレーベル発のアーティストを輩出していく。

彼のバックグランドもここで記述しておくべきだろう。ニコラはイタリアの貧しい南部の都市バーリー出身だ。そこの地方の人間は彼曰く、気質が穏やかでノンビリしていてラテン的だそう。恐らくそういった気質などに由来して彼とブラジリアン・ミュージックとの相性のよさがあるのだろう。

SCHEMAの音楽は洒落ているわりに土臭さのようなものがあって、好きな人は本当にハマる。ニコラ以外にも最近では">Hi Noteなんか激しく渋く、とてもオススメだ。

⇒[エントリーTOPに戻る]

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August 27, 2004

Left To Right / Bill Evans

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『Dolphin - After』試聴はこちらmusic.gif(mp3)

こと生粋のジャズとなると、なかなか「語る」のが難しい。クラシックにも同じことが言える。双方とも余りに分析しつくされ、批評され過ぎたてきた。「〜はこうでなくてはならない」となってしまった音楽はその時点で自らの蓋を閉じ、伝統という異質なものに変容してしまう。進歩主義に偏ってしまうのも音楽的とはいえないが、同じくらい伝統というものは扱いづらい。翻ってクラブ・ミュージックの面白さはその反復性によって自体が常に刷新されていくところにあると思うのだが…

ビル・エヴァンスについて改めて語ることは上記のような罠にはまりがちになる。繊細でリリカルなタッチ、そのスタイルはマイルス・デイヴィスによって見出され、後のトリオ編成で黄金期に至り、晩年に向かいひたすら内省的に深まっていった。もともとクラシックの素養を持っていた彼のブロック・コード内にまで及ぶ徹底したソノリティへのこだわりと禁欲的なほどに抑制された演奏。その純粋にジャズへ没入する姿も、彼が日本において不動の人気を得ていることの理由の一つだろうか。

この『From Left To right』はそんなジャズの伝統を築いてきた彼がそこから離れ、風変わりな楽器をたずさえて取り組んだ一枚だ。もちろんあの独特のタッチとストリングスのアレンジに顕著な、優雅な翳りとでもいうべき空気は健在だが、お気に入りのスタインウェイと共にクレジットされた、ローズ・ピアノ(当時はまだフェンダーが製造していた)のメロウな響きが生の楽器に無い暖かみを醸している。

T1 オープニングのヘッドは曇りなく美しいが、以前紹介したTamba TrioのLuiz Eca作曲によるT5、T6『Dolphin Before/After』のボッサ・ナンバーがとにかく軽やかだ。スタインウェイのカッチリとしたキャラクターと対照的な、丸みのある暖かさと素朴さを添えるローズ、そして極力抑えたアンサンブル。奥行きのある、しかしとてもシンプルな良質トラックだ。T9『Children's Play Song』のクラシック的郷愁を誘うような曲でもエレクトリックと生のピアノが抜き差しが程よい温度感を生んでいる。再発盤ボーナス・トラックとして収録されているT12『Soir [Alt. Take]』も本テイクとは違った軽みがあって捨てがたい。

一聴非常に大人しく繊細に聴こえる彼の演奏だが、その薄氷の下には漲る緊張と燃えるドライアイスのような熱が呼吸している。発売当初、その多少奇抜な編成からあまり人気のなかったという本作、しかし今このアルバムから響いてくる音は古典的ジャズから半歩踏み出した瑞々しい新鮮さを放っている。

どんな音楽に於いてもそうだが、自分を高揚させてくれる、心地よさを与えてくれる、そんなトラックをジャンルという一括りの高い塀で囲ってしまうのは、ときに酷く窮屈だ。僕達は僕達の「音楽」を聴くべきだし、そして常にエクレクティックにオープンであるべきだ。こうしたアルバムに出会う度、そう思わされる。

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(By Yuichi Okada )

【製品情報】
Amazon価格: ¥1,395
オリジナル盤発売:1970年(再発: 1998年)

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July 26, 2004

The Voyage feat. Pharoah Sanders / Sleep Walker

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『The Voyage』試聴はこちらmusic.gif(mp3)

Kyoto Jazz Massive、Cosmic Village、一昨年のJazzanova『In Between』にも参加、ジャズ・ピアニスト、吉澤はじめが率いるSleep Walkerは彼自身のプロジェクトであり、現代のエレクトロニック・ミュージックを呼吸するオールドスクール・ジャズ・バンドである。既に何枚ものEP/12"をリリース、多くのリスナー、DJから支持を受ける彼ら。2002年にはファースト・アルバムを発表し、つい先月他界したエルヴィン・ジョーンズ、コルトレーンとともにジャズ黄金期を牽引したマッコイ・タイナー、そして昨年はファラオ・サンダースとの共演と、ここ数年の活動は実にエネルギーに溢れている。

そのファラオ・サンダースをフィーチャーしたシングル、『The Voyage feat. Pharoah Sanders』がKJM主宰のEspecial Recordsからリリースされた。筆者も未だラジオでのチェックのみだが、これは間違いなく今年最初のビッグ・チューンだ。

ゆったりとしたテーマの導入から一転のブラジリアン・ビートとサックスによるヘッド、そしてそこから始まる壮大なソロの宴。特に中村雅人、サンダース(叫び過ぎ!)二人のサキソフォン奏者によるソロは必聴!ラストまで疾走の十数分に及ぶこのトラックはまさに熱さそのものだ。

清涼さと真夏がぎゅうぎゅうに詰め込まれた一枚、うだるような熱帯夜にぜひとも手にしてもらいたい。

(By Yuichi Okada )

【製品情報】
Amazon価格: ¥?
オリジナル盤発売:2004/07/02

残念なことにファースト・アルバム以外のAmazonでの取り扱いは無いようだ。Especialでもリリースの告知のみ。有名どこのレコード店では既に入荷しているはず。B-SideはこれもまたゴージャスにBembe Segueをボーカリストに迎えている(筆者未聴)ので、こちらも是非チェックを。

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July 12, 2004

Come Away With Me / Norah Jones

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『Shoot The Moon』試聴はこちらmusic.gif(Windows Media Player)

2003年グラミー賞を8部門獲得し、全世界で1800万枚を売り上げた、近年稀に見るモンスターアルバム。プロデューサーであるアリフ・マーディンの手腕もさることながら、やはり特筆すべきはNorah Jonesの歌声にある。

“スモーキー&ハニー”、“ナチュラル”“ハーブのよう”などと様々に表現、形容される彼女の歌声は、音として捉えればピアノやギターをも凌駕し、曲にある全ての楽器の音がただ彼女の歌声に導かれていくかのごとく流れていく。

アルバムに含まれる数ある良曲の中でもT6『Shoot The Moon』は、特にオススメをしておきたい。“夜逃げ”という暗いイメージのタイトルとは裏腹に、ギターのループを突き抜けていくような彼女の歌声は、しっとりと涼しく夏の夜風を連想させる。この季節に一人で聞いていて、この曲ほど気持ちいい曲はなかなか他に見つからない。

また、メロディーのせいか、彼女の歌声のキャパの広さか、色っぽく艶やかな印象を持たせるT11『One Flight Down』と、上記した“スモーキー”なんて表現がピッタリのT1『Don’t Know Why』も素晴らしい。

有名なのであまり知らない人はいないと思うが、もし持っていないのなら絶対に手に入れるべきアルバムだ。

(By Koichi, I)

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【製品情報】
Amazon価格:¥1,580 (税込)
CD発売:(2002/02/26)

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June 19, 2004

Elis & tom / Elis Regina

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『三月の水』試聴はこちらmusic.gif(mp3)

薔薇に降る雨

ブラジルが生み落とし、世界中でそのポピュラリティを獲得したボサノヴァ。50年という歴史の中で、それ自体は次第に変容していき、結果としてブラジルに多様なポップの種を蒔いた。現在のブラジルでは古色蒼然としたジャンルとして扱われているというが…

ボサノヴァ創成者の一人でもあり、数々のスタンダードを送り出したアントニオ・カルロス/トム・ジョビンと、初期ブラジリアン・ポップ・ミュージック(MPB)の代表歌手、ブラジルの誇るディーヴァ、エリス・レジーナ。1974年発表のアルバム『Elis e Tom』で、この二人が共演している。

実は60年代にMPBを巡って多少の確執があった二人。だがそんな時期を過ぎた後のひたすらにリラックスした様子がこのアルバムからは伝わってくる。明るめのトラックあり、メランコリックなトラックあり、非常な充足感をもった作品だ。

T1のデュエット『三月の水』が良い。ジョビンの歌手としての力量は…だが。前回紹介のジョアンのヴァージョンが頑なにストイックであるのと非常に対照的である。名曲T5 『Triste』、T6 『Corcovado]』におけるエリスの歌心に溢れたヴォーカルも、T13 『Chovendo Na Roseira(薔薇に降る雨)』でのアンサンブルとの一体感の見事さも、全てがしっくりとあるべき場所に収まっている。

エリス、ジョビン、今は共に亡し…

3月というとブラジルでは夏の終わりでもある。『三月の水』は、実のところ雨を意味しているのではないか、とも聞く。じっとり蒸し暑い夏の午後、少し肌寒いくらいの雨の日、いずれにしてもエリスの歌声とジョビンのピアノが気温を正しく25℃に整えてくれるだろう。

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(By Yuichi Okada )

【製品情報】
Amazon価格: ¥2,034
オリジナル盤発売:1974年

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June 15, 2004

take me aosis Brazilian Cafe ~ MENTHOL / V.A.

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『But Not For Me』試聴はこちらmusic.gif(Real Player)

カフェ・ブームがあった2001年に渋谷、青山を中心として人気を博したBrazilian Caféシリーズの第2弾がこの『MENTHOL』。現在は『Driving Around Town』『太陽とワイン気分』など10タイトルにも及ぶ大人気コンピレーション・アルバムだ。

“夏”というキーワードにしてしまうと、シリーズどのタイトルも該当してしまい選択に迷うのだが、涼しくBGMとして聞けるのはやはり『MENTHOL』で決まり。日本の夏はジメジメとしてるのでね…。

個人的にオススメは、清涼感と色っぽさの2つを併せ持つPamela Driggsのヴォーカル
T9『But Not For Me』。あと、最強ドライブチューン『I THOUGHT IT WAS YOU』のREMIXがT3に収録されていてるので、これも注目だ。

聴く時間帯は、やはり日中AM7:00~PM5:00ぐらいが適当。ドライブやデート、朝起きて聴くなどシチュエーションとしての使い勝手がとてもいいから、この季節、手放さずに持っていたい。

(By Koichi, I)

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【製品情報】
Amazon価格:――
オリジナル盤発売:2002.9.21

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April 29, 2004

On The Corner / Miles Davis

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『On the corner』視聴はこちらmusic.gif(Real Player)

「昔、ジャズはダンス・ミュージックだった」 グレッグ・オズビー(サックス奏者)
「どんな音楽だろうとラップできる。例えばR&Bでもジャズでもね」 DMC(RUN-DMC)

ジャズ、はっきり言ってよく分からない。60年代くらいのジャズをひたすら聞いた事もあったが、やはり理解するのが難しかった。どうもジャズというジャンルが苦手だったのだ。このCDに会うまでは――。(といっても、ジャズ愛好家はこの作品をジャズと認めないかもしれないが…)

ジャズは黒人の音楽だ。ロックもブルースもヒップホップも彼等が発明した。圧倒的な人種差別の中で、その日頃の悲しみを歌ったブルース。悲しみを忘れようと踊り狂ったジャズ。金のない黒人が既存する曲をサンプリングして、その上に日頃の愚痴をぶちまけたヒップホップ。そんな彼等の音楽は当然パワーがある。

Miles Davisはジャズ・ミュージシャンのなかでも特異な立ち位置だ。1960年代にジャズ歴史の中でクールというジャンル(?)を生み出し、1972年にこの作品でファンクに近づき、『Bitches Brew』はサイケ、遺作『Doo-Bop』は、なんとヒップホップである。

先見の明があるのかミーハーなのかは知らないが、彼の作品は結果として後世に名を残している。 彼は「自分の音楽に合わせてブラックキッズが街角で踊ってくれれば、それが最高の賛辞になる」と語っていたのだが、この作品はまさに踊るために作られたような感じがする。事実、最近のDJ達はこの作品をクラブで流しているのだ。

発売当時、あまりにもジャズの概念から逸脱しリスナーの度肝を抜いた本作。前衛音楽と呼ぶべきか彼のオリジナリティーと呼ぶべきか、30年以上経った今も朽ちることはなく愛され続けている。

(By Koichi Yamamoto)

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【製品情報】
Amazon価格:¥1,377 (税込)
CD発売:(2000/08/01)

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April 18, 2004

Tempo = Avanco / Tamba Trio

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『Nuvens』試聴はこちらmusic.gif(mp3)

そう、彼らはただ神に近づきたかったがために、別天地を目指した。

Tamba Trioはボサノヴァ最盛期の60年代初めに結成された。トリオのリーダーでもあり、クラシックの素養からかガーシュウィン、ドッビュシー、ラヴェルといった印象派の影響をすら垣間見せるピアノ兼作編曲者のルイス・エサ。グループ名の由来ともいわれるオリジナル打楽器「タンバ」を発案、独特のバランソ(グルーヴ)でバンドの母体を成すドラムのエルシオ・ミリート。そしてかのジョアンも絶賛したヴォーカルとベース、サックス、フルートまでこなすマルチ奏者ベベ−ト。

凡百のトリオを超えるポテンシャル、それをまとめあげる強固な音楽へのこだわりを備えたタンバ・トリオ。今回はボサノヴァがMPBへと移ってゆく過程で常に「一歩先」を標榜した彼らの原点と個性の伺える一枚を引き合いに出そう。

デビュー以前からプロとして様々なアーティストのバックを務めたタンバ・トリオが、1962年の一作目に続き発表、そのスタイルを確立した2nd『Avanco』、3rd『Tempo』。ミリートの刻むリズムを軸に、各楽器を絶妙に配するエサのアレンジ、ベベートのまさにボサノヴァ的ヴォーカルと柔らかなソロ、そして独特なコーラス・ワークと、どちらのアルバムも実に多彩で、しかも密度が高い。

勿論、アルバムにはT8『O Amor em Paz』、T13『Garota de Ipanema』やT14『Mas Que Nada』といった有名曲も収録されているけれど、それぞれに施されたエサのボーカル・アレンジが素晴らしい。T2『Nuvens』で見せる印象派/ガーシュウィン的ラウンジ感、T4『Barumba』のスリリングなリズム/コード・ワークとソロの絡み合い、ボッサ・スタンダードをタンバの世界に引き込んだT19、20、T23で見事に描写するサンバとボサノヴァの温度差、そして2ndのラスト・トラックでもあるT24『Esperanca』の重厚でありつつ透明感のあるストリング・アレンジと、この一枚に初期タンバ・トリオの全てが詰め込まれている。

ボサノヴァの神様をジョアンに例えれば、タンバ・トリオは彼の世界に近づくためにあえて新しい地平を開拓した先駆者たちだった。そのトリオ編成を超えた幅の広さ、40年後の今も彼らは「古き良き時代」を超えたモダンな手触りを伝えてくれる。

因みに現在2nd、3rdの2 in 1がCDで入手可能です。ボサノヴァ天国日本に、サウーヂ!

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(By Yuichi Okada )

【製品情報】
Amazon価格: ¥1,663
オリジナル盤発売:1963-64年

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March 15, 2004

Joao Gilberto / Joao Gilberto

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『Aguas de Marco』試聴はこちらmusic.gif(mp3)

ジョアン・ジルベルト :1931年生まれ。50年代の終わりに、独特のバチーダと囁くような歌唱法、つまりはボサノヴァのスタイルを生み出し、数々の奇行とメディア露出の少なさにも関わらず『伝説』とまで呼ばれる、ボサノヴァの代名詞。昨年9月、遂に初の(!)来日を果たし、うち東京公演を収めた『ジョアン・ジルベルト・イン・トーキョー』を今年2月にリリース。その数30以上にのぼる彼の膨大な作品の中からしかし、あえて一つ抜き出すとすれば、1973年発表のセルフタイトル・アルバム(邦題:『三月の水』)だろう。

ギター、声、そしてパーカッションと、限界まで削り落としたアンサンブル。タイトル・トラックでもあり、まさに別世界の音を奏でるT1 Aguas de Marco(三月の水)。最新スタジオ・アルバム『ジョアン 声とギター』にも収録のT8 Eu Vim Da Bahia。シンプルなバチーダと高揚感を持ったT3 Na Baixa Do Sapateiro。得意のボッサ・スキャット全開のT2、T9。そして当時妻だったミウシャとのデュエット、T10。ボサノヴァのエッセンスがこの一枚に凝縮、というくらい濃密で暖かく、そして洒脱。

この人をあえてレビューするのもどうなの?というくらい、Bossa Novaといえばジョアン・ジルベルト(もしくはA.C.ジョビン)。でも、これからボサノヴァとか聴いてみたいけどなんか沢山あるし…という方に。『Getz/Gilberto 』も有名だけど、あまりにジョアンのテンションが低くて(よほどゲッツの吹き方が気に入らなかったらしいね)巷で言われるほどには推薦出来ないかな。とにかく最初の一枚としてこれ以上パーフェクトな作品は無いでしょう。

音楽が世界にあったことに心底感謝したくなる、そんなアルバム。

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(By Yuichi Okada )

【製品情報】
Amazon価格: ¥1,900
オリジナル盤発売:1973年

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February 22, 2004

クローカ / Sunaga T Experience

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『It's You』の試聴はこちら(Real Player推奨)

“究極のBGM”と評された、Joyce Cooling『It's you』のカヴァー。

しなやかなで爽快感のあるBossaビートにアコースティック・ギターをフィーチャーし、ヴォーカルには『Love Oh Love』で有名なゆったりと大きく優しい声を持つVince Andrewsを起用した。

個人的に今回のSunaga T Experienceのヴァージョンは、Joyce Coolimgの原曲には敵わないと思う。しかし、アルバム『Cameo』は『It's You』(別格)以外大してよくないので、アルバム総体的には間違いなく『クローカ』に軍配が上がる。

もし、Joyce Coolingの『It's You』をお求めならば、橋本徹が選曲を担当する人気シリーズの『Cafe Apres-midi Vert』(6曲目収録)がオススメだ。

曲の感想は、カッコイイというかお洒落でモテそうというのが表現としては個人的にしっくり来る。対象年齢は25~30才ぐらいだろう。

Sunaga T Experienceこと須永辰緒氏は、Organ Barの主宰者であり、渋谷のレコード番長であり、プロデューサー・リミキサーなどマルチに手がけ、また東京のクラブシーン創世期より DJ 活動を続ける最重要人物の一人。これからも目が離せない。

(By Koichi, I)

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Amazon価格:¥2446
CD発売:2001/03/14

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