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February 19, 2005

lift yr. skinny hands like antennas to heaven! / Godspeed You! Black Emperor

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『Sleep』試聴はこちらmusic.gif(mp3)

希望という名の下に

音楽に対して真摯であることはときに恐ろしく助長だ。そこにある何かを伝えるために積み上げていくひとつひとつが必須のものとなり、削ることの出来ない要素に変わる。ポップ・ミュージックが4分間という呪縛から逃れ得ないのは、あくまでコマーシャルと大衆心理に依る。そこから離れるほど、それはポップの本質から外れ、背後にあったアーティストのエゴがむき出しになってくる。

Godspeed You! Black Emperorはカナダで結成された。グループ名の由来は80年代日本にあった暴走族(30代の方にはなじみ深いかも)から、ともいわれる。当初から非常にポリティカル・コンシャス/アンチ・コマーシャルなグループであったようで、ジャケットやタイトルにもアジ的な文章が踊る。メンバーの構成自体も相当に流動的であり、核となる9人のメンバーに倍近い人数が加わり、常時十数人の編成でツアーを行っている。またメンバーの顔写真はいっさい公表せず、彼らの地元レーベルConstellation及びオフィシャル・ページに数枚の写真があるのみだ。インタビューすら基本的には受けないという。最新作Yanqui U.X.Oではスリーブに「リスナーはチェーン店系ストアを利用すべきではない」旨まで記している。反商業主義もここまで徹底すると清々しいほどだが、逆にここまでしなければ現状ロックは音楽足り得ないのだろうか。

lift yr. skinny hands like antennas to heaven!はGY!BEが2000年に発表したアナログ、CDともに2枚組というアルバムだ。が、90分に及ぶこの作品の収録曲数はたったの4曲である。それぞれのトラックは20分もしくはそれ以上に及ぶ。ビルドアップは見事だ。プログレッシブロックの再来といわれる理由もここにあるように思う。だがここで語られるべきはテクニックや構成力ではなく、徹底したストイシズム、そしてらせん状に加速していくダイナミズムだ。

フレンチホーン、ストリングス、分厚いギターのアンサンブル、そして重く確実に刻まれるドラムとベース、各楽器が一つのラインに折り重なるように積み上げられていき、ノイズの臨界点に達すると同時にまた別のラインが顕われ、そこにフィールド音や朗読の声がコラージュされ…といった繰り返しで曲は進行していく。だが決して複雑に陥ることがない。そこには名状しがたい希望と美しさがある。

選択や自由意志といったものが幻想に貶められがちな世界に、GY!BEの伝えようとする言葉は”不屈の薄明”として、息づく。

*画像もしくはこちらをクリックするとamazonから購入できます。


(By "Q" Okada )

【製品情報】
Amazon価格: ¥1,969
オリジナル盤発売:2000年

Posted by muzseek at | (0) |